マンションを相続させる場合の遺言書の書き方
2024/06/12
目次
敷地権とは
敷地権とは、マンションなどの区分建物が建っている土地に対する権利のことです。マンションの敷地権は、建物の専有部分(個別の部屋)と一体として所有されます。つまり、部屋を購入すると、その部屋だけでなく、その部屋が存在する土地の一部の権利も所有することになります。
マンションの個別の部屋の所有者は、敷地権によってその土地を利用することができます。そしてこの敷地権は区分所有権と分離して処分することができません。つまりマンションの部屋の部分(建物)だけ残して、土地部分だけを売却するということはできず、土地と部屋(建物)がセットになっています。
記載注意点
マンションなどの区分建物を相続させる場合も目的物の特定の方法は、 登記事項証明書の記載に従います。敷地権の登記がある区分建物の場合は、本条項例記載の事項により目的物を特定します。 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記は、敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有します。一方で敷地権の登記がない場合、土地についても建物とは別に所有権移転登記手続が必要となり、その場合は遺言書にも建物と土地の両方を記載します。
記載例
第1条 遺言者は、遺言者が所有する下記の不動産を、遺言者の妻A(昭和〇〇 年〇〇月〇〇日生)に相続させる。
記
(一棟の建物の表示)
所 在 〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地〇〇
建 物 の 名 称 〇〇〇〇〇〇〇〇
(専有部分の建物の表示)
家 屋 番 号 〇〇番〇〇
建 物 の 名 称 〇〇
種 類 居宅
構 造 鉄筋コンクリート造1階建
床 面 積 〇階部分 〇〇.〇〇平方メートル
(敷地権の目的である土地の表示)
土 地 の 符 号 1
所在及び地番 〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番〇〇
地 目 宅地
地 積 〇〇.〇〇平方メートル
(敷地権の表示)
土 地 の 符 号 1
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 〇〇〇〇〇分の〇〇〇
区分所有財産の評価
区分所有に係る財産の各部分の価額は、財産評価基本通達の定めによって評価したその財産の価額を基とし、各部分の使用収益等の状況を勘案して計算した各部分に対応する価額によって評価します。なお、居住用の区分所有財産(いわゆるマンション)の相続税評価額が市場での売買価格と大きく乖離しているケースが見られます。 そこで令和6年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した居住用の区分所有財産については、一室の区分所有権等に係る敷地利用権の価額は、「自用地としての価額」に、一定の補正率を乗じて計算した価額を当該「自用地としての価額」とみなして評価し、一室の区分所有権等に係る区分所有権の価額は、「自用家屋としての価額」に、一定の補正率を乗じて計算した価額を当該「自用家屋としての価額」とみなして評価されます。