行政書士堀井タヰガ事務所

一筆の土地を相続させる場合の遺言書の書き方

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一筆の土地を相続させる場合の遺言書の書き方

一筆の土地を相続させる場合の遺言書の書き方

2024/06/01

目次

    一筆の土地とは

    一筆とは、土地の個数を表す単位であり、独立した1個の土地を指します。各土地には地番が付され、登記簿上では一筆の土地が1個の不動産として扱われ、土地ごとに1つの用紙が使用される「一筆一用紙主義」が採用されています。

    記載注意点

    土地を相続させる場合、目的物の特定の方法は、登記事項証明書の記載に従います。土地の場合は、所在、地番、地目及び地積を記載して目的物を特定します。 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言(特定財産承継遺言)は、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情のない限り、当該遺産を当該相続人に単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものと解されます。この場合には、当該遺言において相続による承継を当該相続人の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、遺産分割協議をすることなく、当該遺産は、被相続人の死亡の時に直ちに相続により承継されます。

    相続により不動産を取得すると、単独で所有権移転登記手続ができます。この場合、遺言執行者が指定されていても、同執行者は当該移転登記手続をする義務を負いません。一方、遺贈により不動産を取得すると、所有権移 転登記手続は共同相続人と共同で申請しなければなりません。遺言執行者が指定されている場合は、同執行者と受遺者の共同申請となります。遺言書の文言が「相続させる」 か「遺贈する」かという違いのみで相続か遺贈かと一刀両断に判断されるわけではあ りませんが、上記のように相続か遺贈かによって手続等が大きく異なりますので、トラブルを避けるため に、相続させる場合には「相続させる」旨を明確に示すことが重要です。

    また、遺言書には、遺贈の目的として単に「不動産」と記載され、その所在場所として、地番ではなく遺言者の住所(〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号)が記載されている場合に、建物のみを遺贈の対象としたのか、土地・建物両方を遺贈の対象としたのか が争われた事案において、最高裁は、遺言書には単に「不動産」と記載されているだけであって土地を遺贈の目的から明示的に排除した記載となっていないこと、「〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号」は遺言者が長年居住していた自宅の住所であって、遺言者 はその住所にある土地・建物双方を所有していたことなどの事実関係の下においては、遺言書の記載は、遺言者の住所にある土地・建物を一体として遺贈する旨の意思を表示していたものと解するのが相当であると判示しました。最高裁平成13年3月13日判決は、遺贈に関する判例ですが、不動産の特定という点では、相続の場合も同じであり、このような紛争を避けるために、対象とする不動産は、登記事項証明書の記載に沿って地番等で特定することが重要です。

    記載例

    第1条 遺言者は、遺言者が所有する下記の土地を、遺言者の長男A(平成〇〇年 〇〇月〇〇日生)に相続させる。

     所  在  相模原市〇〇区〇〇丁目

     地  番  〇〇番〇〇

     地  目  宅地

     地  積  〇〇.〇〇平方メートル

    土地の評価方法

    土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。そして土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法であり、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後に、その土地の面積を乗じて計算します。倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法であり、その土地の固定資産 税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。

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