未登記の土地を相続させる場合の遺言書の書き方
2024/06/04
目次
未登記の土地
未登記の土地とは、公有水面の埋立てや海面からの土地の隆起、寄洲等により新たに土地が生じた場合や里道、水路等の国有地で未登記(無番地)の土地が払い下げられた場合等生ずる未登記の土地のことをいいます。
表題登記はあるが、権利の登記がされていない土地も未登記の土地と言いますが、ここでは新たに出現した表題登記すら入っていない土地を指します。
記載注意点
新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければならず、その申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処されます。
また、未登記の不動産であっても私権の目的となり得るものは民法177条の適用がある以上、登記を経なければ、取得後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗することができません。したがって、未登記の土地を未登記のまま相続させるのではなく、遺言者が生前に登記を申請した上で、登記済みの土地として相続させるのが在るべき姿です。
しかし、何らかの事情によりやむを得ず未登記の土地を未登記のまま相続させる場合は、当該土地の土地所在図や地積測量図を遺言書に添付して、当該土地を特定するとともに、相続人において速やかに登記申請ができるように、当該土地を遺言者が所有していることを証する書面も添付することが望ましいでしょう。
記載例
第1条 遺言者は、遺言者が所有する下記の土地を、遺言者の妻A(昭和〇〇年 〇〇月〇〇日生)に相続させる。
記
所 在 別紙土地所在図のとおり
地 積 別紙地積測量図のとおり
未登記土地の固定資産税
未登記の土地であっても固定資産税を課せるものについては、土地補充課税台帳が作成されているので、当該台帳に記載されている所在、地番、地目、地積によって、土地を特定することも可能です。また、不動産登記法の改正により、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられています。