一人親方の建設業許可取得の流れ
2024/09/17
目次
一人親方が500万円以上の請負金額の工事を行うためには、必ず建設業許可を取得していなければなりません。
一人親方でも必要要件を満たして必要な書類を提出し、審査に申し込んで無事に通過できれば建設業許可を取得することができます。
一人親方として今後もさまざまな案件を請け負っていきたいのであれば、建設業許可を取得しておいて損はありません。
それでは、一人親方でも建設業許可を取得することはできるのか、建設業許可を取得する流れについてご説明しましょう。
一人親方でも建設業許可を取得することはできる?
結論から言えば、一人親方でも建設業許可を取得することはできます。
一人親方は基本的に個人事業主として扱われるので、個人事業主が建設業許可を取得するのと同じように申請して取得することになります。
また、1件の請負金額が材料費や税込みで500万円を超える建設工事を請け負う場合は、必ず建設業許可を取得していなければなりません。
もちろん今まで小規模の工事しか請け負ってこなかったので、今後も500万円以上の大規模な工事を請け負うとは限らないという人もいるでしょう。
しかし、工事に必要な材料を用意していたら材料費と税込みで500万円以上になってしまうケースも少なくありません。
500万円以上の請負金額になったことで結果的に仕事がなくなるよりも、事前に必要な要件を満たして建設業許可を取得した方がいいでしょう。
500万円以上の請負金額になる工事もできるようになりますし、社会的信用も高まるうえに元請会社や顧客にも大々的にアピールできるようになります。
一人親方が建設業許可を取得する際の流れ
一人親方が建設業許可を取得する際の流れは、以下の通りです。
- 取得する許可の種類を決める
- 建設業許可の取得に必要な要件を確認する
- 建設業許可の申請に必要な書類を集める
- 許可行政庁に申請して審査を受ける
- 建設業許可通知書を受け取って完了
それでは、一人親方が建設業許可を取得する際の流れについてご説明しましょう。
取得する許可の種類を決める
最初に取得する許可の種類を決めていきます。
まず、営業所の所在地と請け負う工事の規模、請け負う工事の種類を確認しましょう。
営業所の所在地が一つの都道府県にのみ存在している場合は申請先が各都道府県知事になります。
2つ以上の都道府県にまたがって存在している場合は、申請先が国土交通大臣になります。
また、建設業許可には一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があり、それぞれ取得要件が違います。
一般建設業許可の場合、契約金額が4,000万円以下、建築一式なら6,000万円以下の工事を請け負う際に必要です。
特定建設業許可の場合、契約金額が4,000万円以上、建築一式なら6,000万円以上の工事を請け負う際に必要です。
元請会社として大規模な工事を請け負うなら、事前に特別建設業許可を取得する必要性があるでしょう。
また、請け負う工事の種類によっては、それぞれの建設業許可が求められます。
たとえば土木一式工事の建設業許可を所得していても、請負金額が500万円以上の建設工事一式を請け負うことはできません。
500万円以下であれば業種は問われませんが、500万円を超える別業種の工事を請け負う場合はどの業種であってもあらかじめ建設業許可を取得しなければならないので注意しましょう。
建設業許可の取得に必要な要件を確認する
取得する建設業許可が決まったら、以下の要件を満たさなければなりません。
・適切な経営体制
適切な経営体制として第一に求められるのは、経営業務を適切に行える管理責任者が在籍していることです。
管理責任者は建設業の経営業務を総合的に管理する人のことで、一定の経験を持っていること、管理責任者が適切な健康保険などに加入していれば適切な経営体制があると認められます。
・専任技術者の選定
専任技術者とは適切な工事の請負契約を締結し、契約通りに進める責任を負う技術者を指します。
対応する資格を取得するか、一定以上の工事に関する実務経験があるか、あるいはその両方を満たしているかどうかで専任技術者になれるのがポイントです。
取得したい建設業許可に対応する資格や実務経験があるかどうかが重要なので、事前に確認しましょう。
・誠実性があるか
誠実性があるかどうかは、今後も工事を請け負ううえで非常に重要なポイントになります。
過去5年間に建築士法違反などに抵触したことによって許可や免許を取り消されていないことが条件です。もしも過去5年間で許可や免許を取り消されたことがある場合は、取り消しがあった日から5年間は建設業許可を取得することはできないので注意しましょう。
・財産的基礎等があるか
財産的基礎とは、いわゆる資本金のことで、請負契約を問題なく履行できることを証明する要件の一つです。
基本的に自己資本金が500万円以上あること、または500万円以上の資金調達能力があるかどうかが証明できれば財産的基礎があるものとして認められます。
・欠格要件に該当していないか
建設業許可を取得するにあたって、15の欠格要件に1つでも当てはまっている場合は建設業許可を取得することができません。
たとえば成年被後見人や被保佐人、不正に建設業許可を取得した末に許可を取り消されてから5年経っていないことなどが挙げられます。
それ以外にも建設業許可申請書や添付書類における重要な事項の虚偽の記載をしたり記載し忘れていたりする場合も欠格要件に当てはまります。
なお、建設業許可申請書や添付書類で虚偽の申請を行った時点でその後の5年間は申請をしても許可されないので注意しましょう。
許可行政庁に申請して審査を受ける
申請に必要な書類がすべて揃ったら、許可行政庁に必要書類を提出して申請します。
ただし、事前にどこの行政庁に提出するのか確認することが大切です。
行政庁によっては事前に予約をしなければならなかったり、郵送申請が認められるかどうかが違ったりするので、事前に確認する必要性があります。
なお、審査には通常1ヶ月~4ヶ月ほどかかるうえに、何があっても審査期間を短くすることはできないので、長期間の審査が行われることを加味してスケジュール管理をしましょう。
○建設業許可通知書を受け取って完了
無事に審査に通過できれば、建設業許可通知書を受け取って手続きが完了します。
なお、この通知書は再交付されないので失くさないように厳重に管理しましょう。
まとめ
一人親方は個人事業主扱いになるため、個人事業主として建設業許可の申請を行うことになります。
請負金額の合計が500万円を超える工事を請け負う場合は必ず建設業許可を取得していなければならないため、請け負う工事の業種に対応する建設業許可を申請しましょう。
無事に審査に通過できれば建設業許可が取得できますが、万が一失くしてしまうと再交付されないので注意が必要です。
----------------------------------------------------------------------
行政書士堀井タヰガ事務所
住所 : 神奈川県相模原市緑区橋本3-27-6
S&Yビル4F
電話番号 : 050-6882-7467
相模原で各種許認可申請に対応
----------------------------------------------------------------------